温泉の『藻』で「健康」や「美」に貢献~広報活動が会社の存在意義を見直すきっかけに

みなさんは、「温泉の藻」というものをご存じでしょうか。

温泉にはリウマチや神経痛、関節炎、皮膚炎やアトピーなどの症状をやわらげる効能があるといわれています。その温泉の藻の中には、実は「温泉微生物」が存在し、人の身体に対して様々な働きをすることが証明されています。

様々な症状に苦しむ人を救うといわれているこの「温泉微生物」を、世界で初めて発見し、培養に成功したのが、日本一の温泉を誇る大分県別府市に本社をおく株式会社SARABiO温泉微生物研究所。発見された温泉微生物は特許成分として認定され、「RG92」と名付けられました。

地元大分県の資源を活用し、地方から世界に向けてチャレンジし続ける企業の思いや取り組みについて、代表取締役濱田拓也社長にお話しを伺いました。

【聞き手:長崎真友子(女子アナ47 元九州朝日放送アナウンサー)】

「温泉」の可能性を温泉の町・大分県別府市から世界へ~地方はたくさんの可能性を秘めている

-まず、御社はどのような会社でしょうか?

私たちの会社は温泉で有名な町、大分県の別府市に本社があります。身近にある温泉に含まれる成分や性質を研究し、肌にやさしい化粧品やシャンプーをはじめ、ボディソープや入浴剤なども作っています。その他温泉資源を活用して観光事業も行っています。

-「温泉成分入りの化粧品」とのことですが、製品にはどんな特徴があるのでしょうか。

温泉成分、つまり「温泉微生物」は、90℃にも達する源泉に生息する極限環境微生物のことで、藻の一種です。その特徴は過酷な環境にも適応できる驚くべき生命力です。自社で独自に長年かけて研究した結果、ついに優れた「抗炎症作用」「抗糖化作用」「抗酸化作用」を持つ新藻類を発見することができたんです。

これをRG92(Regeneration Gateway92)、つまり “92番目に発見した再生への道” と名付けました。その後、広島大学との共同臨床研究でもRG92が皮膚や体内の炎症を抑制することが証明されました。この微生物(新藻類)こそ、昔から温泉がリウマチや腰痛、慢性皮膚炎などを癒してきた正体のひとつだったんです。弊社の製品は、この微生物を生かし、美容や健康にいいものを開発し、揃えています。

-大分県別府市に本社があるということですが、地方の可能性をどのようにとらえていますか?

「日本の特有の資産」である「温泉」をいかに活用するかという点で、日本国内にとどまらず世界に視野を広げてみると、まだまだ可能性があると思っています。温泉にとどまらず、緑が豊富であるということも、海外からみると非常に可能性が秘められていますし、例えば大分では「竹の文化」が根強いのですが、そのような日本ならではの知られざる資産や財産になるものがたくさんあると思います。

CSR・SDGsは細かいできることから1つずつ取り組めるかが大事

-CSR(企業の社会的責任)やSDGs(持続可能な開発目標)については会社でどのような取り組みをされていますか?

CSR、SDGsは、地域社会に対して会社・企業体がどうあるべきか、ということだと考えています。「サステナブル」という点では、化粧品を作って売るプロセスの中で、できる限りプラスチックごみを出さない、海の環境に配慮する、といった、自分たちにできることを1つずつ取り組むことが大切だと思っています。
当然、企業体によってはもっともっと大きなスケールでやる必要がもある場合もあるでしょうし、SDGsで提示されている項目の数多くを対処できる企業と、1つ2つのみの取り組みを、というような企業もあると思います。ただ、企業としてまずは意識を持つということが非常に大切なことではないかと考えています。

-SDGsで掲げられた項目のうち、今後対処していきたいと考えているものはどのようなものですか?

思いとしてはすべての項目について取り組みたいという気持です。わかりやすい範囲では「プラスチックごみを出さない」という目標が当然あげられますが、例えば私たちの収益の一部分を「世界中の飢餓をなくす活動に充てる」というような世界に向けて働きかけるような取り組みも今後可能性としては考えていきたいという思いもあります。
その他、「ジェンダーレス」に関する項目でいうと、パッケージ1つのデザインなどの視点からもできることがあるかもしれません。視野を広げて、「これから何ができるのか」ということは常に考えていきたいと思っています。

-おっしゃる通りですね。

PRは「世の中にどう必要である会社か」を考えるきっかけになる

-ここから本題なのですが、社長にとって広報・PRとは何ですか。

一言で表現するのはなかなか難しいです。
そもそもPRとは、「企業の事をより世の中の人に知ってもらおうという活動」のことですが、「広告」とは何が違うのかというと、広告の場合はお金を払って広げてもらうのに対して、PRというものは、お金を払わずにメディアや一般の消費者の方にいかに知ってもらえるか、さらには雑誌やテレビに取り上げてもらうかということです。
そのためには、企業そのものがどういう活動をして、世の中に対して必要な会社であると認識してもらう努力が必要です。そういう点から、弊社にとっての広報・PRというものは、「社会に対してどういうものをアピールできる企業なのか」これを考える1つのきっかけになるとも思っています。

社員1人1人の行動がPRに!社員の意識付けが重要

-自社で製品やサービスを世の中に広めていくために、PRをどのように行っていますか?

PR自体は、リリースを作成し、PR会社さんに委託をすることがメインになるとは思いますが、自社では「意識を持つ」ということをやっています。「PRというものが何なのか」という本質を知ることが基本的には大切です。PRというのは、広報の担当者だけではありません。例えば、代表の私が話している動画がYouTube にアップされて配信されるなど、様々な形で企業や商品について発信することもSARABiOを知っていただけるPRになります。

また、電話番1人をとっても、電話がかかってきたときにお客様に対するその受け答え1つがPRに繋がることもあります。PRというのはPRの部署だけがやることではないと思っています。全社を挙げて、まずは「PRがいかなるものなのか」を知ることがスタートです。弊社でも1人1人の意識付けから行っています。

-素晴らしいですね。社員が「PRとは」を全員考えられるようになると、一つ一つの対応や日々の作業も細かいところですが変わってきそうですよね。

予算を組む以上「費用対効果」は外せない

-経営者として広報・PRに期待することはどういうことですか?

広報・PRの方に期待をするのは、やはり費用対効果です。広告の代わりに、広報・PRというところに人を雇って、期待をして予算を組んでお願いをするわけですから、当然会社のことを一人でも多くの方に認識してもらい、効果につなげるということが基本です。具体的にいうと、費用を100万円かけたのであれば1億円、10億円分の効果が期待できることがベストだと思いますね。

これからの広報・PR~地方や行政を巻き込んだプロジェクトを

-最後に、今後、広報・PRで取り組みたい事はどのようなことですか?

自社のことを企画するだけではなく、地方や行政を巻き込んで一緒にプロジェクトを行い、テレビや雑誌などに幅広く取りあげてもらうことを目指したいと思っています。自社の商品をただひたすらに「この商品はいいんです」ということを伝えようとしても、なかなか難しい時代になってきていると感じます。それよりも、SDGsなどのように、行政や自治体、場合によっては国境を越えた取り組みをしているところと組みながら、一緒にプロジェクトを作り、ひとつひとつのプロジェクトごとに一丸となって情報発信をしていくことが今後必要になってくると思います。

インタビュアー「取材後記」

取材後記:長崎真友子
濱田社長は、広報に対してとても理解が深く、また寛容であると感じました。大分県別府市の日本が誇る資源、温泉を世界に発信していきたいという地方創生の想いが太い根っこにあるからこそ「温泉微生物を活用した製品づくり」に並々ならぬ努力ができるのだなと。
温泉微生物の効果からか、濱田社長のお肌は日焼けはしているものの、とても美しくピカピカしたお肌でした!笑

今回のインタビュイー「社長プロフィール」

株式会社SARABiO温泉微生物研究所
代表取締役 濱田拓也

1985年、大分県別府市出身。温泉ソムリエ。趣味は釣り。
2006年に現会長とともに株式会社サラヴィオ化粧品を立ち上げる。様々な悩みを抱えるお客様に、科学的根拠のある商品を提供したいという思いから、化粧品会社の中でも珍しい自社研究所を設立。世界で初めて温泉に潜む小さな微生物“藻”の本格的な研究に着手し、高い抗炎症、抗糖化、抗酸化作用を持つ新種の微生物「温泉藻類®RG92」を発見するなど、温泉プロバイオティクスの可能性を世界に広める先頭に立つ。最たる実績の1つとして、リウマチの原因であるミトコンドリア異常と、改善策としてのRG92の効果の実証があげられる。最先端のバイオテクノロジーを駆使して、リウマチの治療薬をはじめとした医薬品の開発を目指している。2020年4月、さらなるバイオ研究への熱い思いを込めて、株式会社SARABiO温泉微生物研究所に社名変更。

今回の女子アナインタビュアー

長崎真友子

女子アナメディアプロモーション部
長崎真友子(女子アナ47 元九州朝日放送アナウンサー)

2008年九州朝日放送株式会社にアナウンサーとして入社。20011年より東京にてフリーアナウンサーとしてフジテレビ「スーパーニュース」、TBS「はなまるマーケット」、テレビ朝日「グッド!モーニング」日本テレビ「女神のマルシェ」などでレギュラーを務める。
2015年に地方創生アナウンサー団体「女子アナ47」を運営する株式会社Cheeringを設立。ソーシャルビジネス創出、企業や自治体の企画・PR、イベント、動画制作、スピーチアカデミーの運営など、アナウンサーのキャリアを生かしたビジネスを展開している。

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